フォロ割のすごいと思うところ
この記事は 本屋専用ファンクラブ | リトルスタッフ の開発記録です。
昨日知った「フォロ割」が頭良すぎるので、何にそんな感動したのか整理しておきます。
宿代減額「フォロ割」に反響 | 2017/12/23(土) 13:06 - Yahoo!ニュース
ちなみにあくまで「フォロ割って上手いな」と思っただけなので、こちらのホテルの良し悪しは分かりません。
ネーミングの分かりやすさ
「フォロ割」という単語からもう、何となくイメージできる。
それでいて短い単語だから書くのも言うのも簡単。覚えやすい。
フォロワー数が多いほど得をする
フォロワー数が多い人とはつまり拡散力が強い人です。
フォロワー数が少ない人を100人集めて告知してもらうより、圧倒的に多い1人に告知してもらう方が拡散力は大きい。
加えて、フォロワー数が多い人は大概「忙しい」人です。
何日も宿泊する人は少ないでしょう。予定がありますから。
つまりフォロワー数から得られる実際の割引ほど滞在する可能性は低いです。
ここがまず上手い。
既存の恩恵に乗る
「SNSのフォロワー数」というのも絶妙で、自分たちでサービス開発等をする必要がありません。
ユーザーは自分の行動習慣を変えることなく、それでいて恩恵を受けられるわけです。
「行動習慣を変えなくて済む」
これはめちゃくちゃ重要です。
効果がなくても損をしない
一般的な広告と違って、仮に結果が出ず人が集まらなくても損をしません。
開発費も宣伝費もかかっていないので。
(厳密にはランディングページの作成でちょっとかかっていますけど)
「お客さんが来た分だけ経費が発生する」というモデルにしたのも賢い。
効率的な広告費
一般的な広告を打とうとすれば、予算は数十万から数百万かかります。数千万以上かけるところもあるはずです。
金額が少なければ短く弱いので、コンスタントに出さない限りはあまり意味はないでしょう。
広告費で200万をかけると仮定すると、今回のケースでは「77泊」分の価値になります。
(2,000,000万/26,000円(1泊))
200万程度の広告費で77泊以上の効果を出せるのか。
それを天秤にかけた時に、シェア等含めたブランディングまで考慮するとフォロ割の方が効果的と踏んだのでしょう。
期間限定にしている
割引である以上、長期的に見れば損をするのは間違いありません。
そこはちゃんと期間限定にしています。
ここまでバズったのは予想外かもしれませんが、恐らくギリギリの期間を設定したはず。
予算計画を立てやすい
あくまで割引であることとホテルという特性、それに期間限定により、「最大でいくらかかるか」の計算が容易です。
「割引期間中、全ての客室が0円で埋まった場合」が広告費の最大金額です。
爆撃対策
フォロワー数を増やすことは不正でも可能です。
(「フォロワー爆撃」「いいね爆撃」)
これは推測ですが、予約時にある程度弾くように思います。
予約申請時にSNSのアカウントを入力させるので、恐らく簡単な審査ぐらいはするのでしょう。
あからさまな不正は見れば分かります。
それらをすり抜ける人達も出てくるでしょうが、実際本当にそこまでやる人達が出てくるのか。
出てきたとしても、たぶんホテル側は次のように捉えていると思います。
- そういう可能性が残っていることも含めてバズらせることが大事
- 人は完璧なものより欠陥について言及したくなる
- 不正アカウントを受け入れてでも、SNSのインフルエンサー達を捕まえるメリットが大きい
- やってみなければ分からない
- やってみて不正が多いようならキャンペーンを中止すればいいだけの話
その他にも細かい配慮
「複数人で来た時はフォロワー数の合算で良い」とか、周囲を巻き込む仕組み作りもしっかりしている。
また「滞在中に撮った写真のいいね数」も割引にあたるのでシェアしやすくなっている。
こういう細かい仕掛けもちゃんとあって、完全に計算して企画を設計したのが見て取れる。
感想
出てきたものを後から批評するのは簡単だけど、自分で思いついて行動するのは難しい。
日記
カモシカ書店さんが都内にいるということで、お知り合いの方々含めて一緒に飲んできた。
「全ての本屋の最大公約数を狙うやり方ではダメだよね」的な話もあり。
リトルスタッフとしてはどこかに絞って特化しないと厳しいことを再確認した。
実際にお話した中でも「カモシカ書店さんなら出来るけど他の本屋さんは出来ない」とか、その逆もあったり。
(できない = やりたくないorやる価値がないなども含む)
あとリリースから丁度1ヶ月経った。こんなペースじゃ全然ダメだ。
宣伝
本屋向けのこういうのも開発しました。ご興味ある方をお待ちしています。
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