トークイベントで質疑応答に使うための匿名チャットサービスを作りました
アカウント登録不要、ログイン不要で使える無料の匿名チャットサービスを作りました。
背景
トークイベントでは質疑応答の時間がありますが、ほとんどの場合うまく行きません。
- 質問が全然あがらない
- 1人あたりの質問が長くなる
- 質問の内容が微妙(単なる感想や自己主張だったり)
質疑応答が充実するとトークイベントの価値があがり、参加者も登壇者も満足度が高くなります。
そのため運営者は色々と試行錯誤しますが、なかなか難しいのが現状です。
質問できない理由を考える
まず第一に「恥ずかしい」のでしょう。
ほとんどのイベントは前列に座る人が少ないくらい、とにかく人は(日本人は?)前に出ることを嫌います。
質疑応答で手を上げて注目を浴びて発言するなんて、ハードルが高すぎます。
(同時に、慣れた人からすると大したことはないのですが)
次に、単純に考えが浮かんでいないこともあるでしょう。
それまでは「話を聞く」ことに集中していて、特に質問を準備しているわけではない人が大半です。たぶん。
そこでいきなり「では質疑応答を」と言われても、考え始めるには遅すぎます。
何だろうなと考えていると場が沈黙してしまい、余計に発言しにくい空気になる。
仮に浮かんでいたとしても「わざわざ聞くほどじゃない」と思っている人もいるはずです。
つまり簡単に言うと従来の質疑応答は「重い」んです。
対応例
打開策について、まずは僕の意見ではなく他の人の意見を引用します。
まずはこちら。
トークイベント(講演)の質疑応答タイムで驚くほど多くの質問を得る方法 – フジサワコウイチ – Medium
あとはこの本から。
知がめぐり、人がつながる場のデザイン―働く大人が学び続ける”ラーニングバー”というしくみ
- 作者: 中原淳
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2011/02/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 3人 クリック: 54回
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この本の中に「いわゆる質疑応答はやらない」という小項目があり、こんなことが語られています。
- 最初は普通の質疑応答をしていたが、一人あたりの質問が長くなったり、まとまりにかけたり、色々と上手く行かなかった
- 改善しようと試したのは携帯のメール送信
- プレゼン中に感じたことや疑問を参加者がメールで送る
- (登壇者ではなく)運営者が質疑応答までにメールをまとめておく
- 地下のような携帯電話が使えない場所ではポストイットを使う方式に変更
これは2011年の本なので少し古めですが、それでも参考になるところがあります。
どちらも共通しているのは、いかに質問者の心理的負担を軽くするかを心がけていることです。
ちなみにトークイベントではないですが、僕も一般的な会議でポストイットを使う経験を何度もしていて、ポストイットを使った時の意見の集まりは抜群です。
ただポストイットを全てのトークイベントで実現出来るかというと、ちょっと難しいかもしれません。
気軽に質疑応答できるように匿名チャットサービスを作った
僕が試してみたいのは2点です。
- 「質疑応答」で質問を募るのではなく、常に質問を受け付ける
- 気になった時にすぐに質問(のストック)が出来る
- その場で回答するかどうかは登壇者に任せる
- 質問する手間と負担を極端に軽くする
ということで、登録・ログイン不要で使える匿名チャットサービスを作りました。
URLを知っている全てのユーザーが投稿できます。URLはイベントごとに変えます。
名前はPoitto(ぽいっと)。「気軽にポイッと感想や質問を投げる」という意図から来ています。
上記フジサワさんの記事から引用します。
今までのトークイベントにおける質疑応答は「口頭」で「本人」がすることが当たり前でした。しかし、問い合わせが電話でもチャットでもメールフォームからでもできるこのご時世、口頭だけは時代遅れです。いまは匿名で気軽に質問できる方法が求められているのです。
「匿名で気軽に質問できる方法」、ご用意しました。
Twitter + ハッシュタグではダメなのか?
一番近い方法が「Twitter + ハッシュタグ」ですが、これで上手くいくか僕は懐疑的です。
- Twitterアカウントを持っていない人もいる
- Twitterで発言したくない人もいる
- 身バレしたくないとか、他のフォロワーに見られたくないとか色々な理由で
- 実況中継が多くて質問や感想が埋もれる可能性がある
「Twitter + ハッシュタグ」は盛り上げたり、あとから情報を見返すにはいいと思いますが、質疑応答には向いていないと思っています。
使い方
今はまだ試作品です。チャットとして動作はしますが色々な都合上、一般公開はしません。
また、「このイベントではチャットサービスを用意したので使ってね」では誰も使いません。
そこは少なからず運営者の補助が必要になります。
ということで、使い方の流れのイメージです。
- Poittoを使うように設定
- 設定といっても、僕がやります
- 参加者にURLを伝える手段を用意
- URLやサイトへのQRコードを載せた紙を席に置いておくとか
- イベント開始前にPoittoのアナウンス
- まず適当に投稿してもらう
- 使ったことがないものと、1回でも操作したものでは心理的負担が全然違います。
- トークイベント開始
そして何より大事なのは、登壇者がPoittoを見ているという状況を必ず作り出してください。
(モニターに映すとか、登壇者のスマホやPCで開いておいてもらうとか)
自分の声が登壇者に届いている、という状況が発言のしやすさを生みます。
届かない声は誰も発しません。
ちなみに今の仕様ではチャットの記録をずっとWeb上に残すことありません。イベント後に消します。
試してくれるイベント運営者さん募集中
上記の通り一般公開はしていないので、「試してみたい」というトークイベントにお邪魔して実証する形になります。
ということで、試してみたいイベント運営者さんがいましたら、記事の最後にあるSNS等でご連絡ください。
主に本屋さんのトークイベントを想定していますが、今は単なるチャットサービスなので業態は問いません。
まずはこれで「本当に感想や質問が活性化するのか」を試したいです。
もちろん無料です。一切お金は頂きません。
ただしサービスにお金をかけていない都合上、イベント参加者の上限は100人です。それ以上だとたぶん動きません。
追記
匿名チャットサービスPoitto(ポイット)に投稿専用画面を追加 - 僕らが本屋の未来を変えるまで
日記
そんなPoittoとは全く関係ない、本屋さんとお客さんを繋ぐWebアプリが近日リリースされます。
本屋3.0を実現するプラットフォーム | LittleStaff
↑↑ 11/24リリース予定です ↑↑
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LittleStaffに協力してくださる本屋さんを募集しています。
http://little-staff.hatenablog.com/entry/2017/10/16/184104
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