本屋の有料会員プラットフォームがない理由
昨日の続きです。今日はWebサービス側の話です。
投げ銭だろうと有料会員だろうと、このビジネスモデルが成功すれば本屋業界は大きく変わります。
チェーン店や個性のない個人書店は変わらないでしょうが、属人性また個人色が強い書店は生き残る確立が高くなります。
また新しく開店する本屋は一層、個人色を強める方向に動いていくはずです。
本を売るだけでは採算が合わないため難しい専門書店も、上手く経営していく可能性が出てきます。
僕はこのモデルを信じています。業界関係者もそうでない人も、アイデアを話すと「良さそう」と言ってくれます。
なのにどうして、これまで投げ銭もしくは有料会員のプラットフォームがなかったのでしょう。
僕はこれがずっと気になっていて、何か見落としていないかモヤっとしています。
こういうWebサービスを作る企業が見当たらないのは何故かを考えます。
市場が不透明
「有料で本屋に会員なんて集まるの?」という疑問。
もし企業でサービスを企画する場合、この疑問を納得させるための資料が必要になりそうです。
そして、これを納得させる論拠を持ってくるのは難しいのではないかと思います。
例えば僕は以前ざっくりと市場予測を書きました。
本屋投げ銭サービスの顧客と市場予測
この程度のざっくり試算ではきっと説得できないのでしょう。会社員時代に企画立案したことがないので分かりませんが。
売上が遅い
僕の見込みですが、有料会員はゆっくりと少しずつ増えていくものだと思っています。
そうなると企業としては開発及び維持費に対して売上が見合わない。
仮に維持費を抜きにして開発費に600万円をかけても、当初のサービスとしての利益が月10万円では辛いです。
メルカリのように初期は赤字でも続けていくつもりがないと、企画としてはボツになりそうです。
そもそも本屋向けサービスに興味がない
斜陽産業と言われている分野に手を出す理由は2つしかありません。
- ビジネスチャンスを見つけている
- 熱意を持っている
企業は社員を養う必要があるので熱意 だけ では動きません。
つまりビジネスチャンスを見出しているかどうかですが、観測範囲ではそういう人はほとんどいません。
たまにチャンスを感じている人を見かけますが、そういう人はIT関連じゃなかったり、熱意の方が足りなかったりします。
(本屋以外にもビジネスチャンスはあるので、わざわざ本屋を選ぶ必要がない)
個人でやるにはちょっと面倒
決済とか法律面とか本屋への振込とか営業とか、開発以外でクリアする手間がいくつかあります。
気軽にちょっとサービス作ってみるか、で進めるには億劫だと思います。
まとめ
つまり本屋向け有料会員のWebサービスがないことに関しては、以下が理由だと僕は考えています。
- 企業が作らない理由
- 他にもビジネスチャンスはあるのに、わざわざ斜陽産業の本屋を選ぶ理由がない
- 「本屋の有料会員」という市場が不十分と思っている
- 個人が作らない理由
- 法律とか決済とか面倒で気軽に作る範囲を超えている
でもまだモヤッとしているけど、僕はもう強い成功イメージしかないので冷静な視点を失っている感じがある。
他にも理由があるのかなあ。
ちなみに僕のサービスがもし失敗することがあれば、やはり「思ったより有料会員になってくれる人がいなかった」という状態だと思っています。
でもそこまでには「マーケティングが十分か」とか「使い勝手に改善点があるのでは」とか、たくさん試行錯誤の余地はあります。
日記
stripeという決済代行の勉強会に行ってきた。
コミュニティが好印象だったし、不明点を質問したりLTで事例を聞いたり出来て満足した。
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