僕らが本屋の未来を変えるまで

リトルスタッフ開発や日々の取り組みについての記録

本屋が有料会員モデルをやらない理由の仮説

有料会員モデルは有効だと思うのですが、有効ならどうして浸透していないのかが気になります。
そのことについて考えを整理します。

前例

前例が全くない訳ではありません。
例えば今は閉店してしまったくすみ書房は「くすくす」という会員制度をやっていました。
僕は当時のことを知らないので最近Webで知った情報ですが、年間1万円の会費の代わりに本が4冊選書されるそうです。

他には大手だとポイントカードとして会員制度があるようです。

が、これらは無料会員です。あくまで集客を見込んだ施策ということでしょう。
「本屋を売る」のではなく「本を売る」というモデルからは変わりません。

有料会員の前例がほとんどない理由

プラットフォームは抜きにして、お店単体で見た場合に有料会員をやっているところがほとんどないのはなぜか。
僕の仮説は4つです。

  1. 本屋側が有料会員モデルをそもそも思いついていない
  2. 会費に見合うリターンがない/思いつかない
  3. 運営やリターンの準備に回す人やお金がない
  4. 取り組んでる本屋もあるけど管野が知らないだけ

これを出版関係の人に聞いてみましたが、主に2と3だと思う、とのことでした。

昨日書いた「平台の写真」のような簡単な手間のものから、いくらでもリターンは思いつくと僕は思っています。
もし「リターンが思いつかない」と感じている人がいるなら、難しく考え過ぎな気がしています。
ちゃんとした物的商品を用意するとか、割引のようなお得さを出さないといけないとか。
昔は知りませんが今の時代、無形のコンテンツで満足感を与えるものなどいくらでもあります。

僕がサービスを作っているのは、それを実証するという個人的動機もあります。証明したい。

人手に余裕がないという気持ちは分かります。
ただでさえ経営がカツカツで人を雇う余裕もなく、既存の従業員も疲弊している。
そんな状況で結果が保証されていない新しいことにチャレンジするのは簡単ではありません。

まとめ

本屋さん側の理由としては、簡単に言えば「確証がないことに労力を割けない人が多い」というだけなのではと思っています。
チャレンジ精神を持っている本屋さんは有料会員に限らず色々と取り組むけれど、業界で見ればほんの一部なのでしょう。
だからこそメディアで取り上げられたりするわけです。「当たり前」になっていればメディアも取り上げませんので。

明日は本屋向け有料会員Webサービスがない理由について考えます。
小出しにして記事のネタを確保するスタイル。

日記

今日もまた出版関係の人とお会いしてくる。業界の人と話すと刺激やアイデアを頂けるので楽しみ。

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