本屋さんは表現者なのかもしれない
この記事は 本屋専用ファンクラブ | リトルスタッフ の開発記録です。
リトルスタッフを「本屋の価値を可視化する」ものに変更するべく考え中です。
便利なAmazonと楽しい本屋と滅びゆく本屋と - 僕らが本屋の未来を変えるまで
今日は少し脱線して「本屋さんとの向き合い方」的な話です。
きっかけ
ちなみに集客と売上が期待できるものとしてイベントもありますが、トークや読書会など営業を止めないと開催できないものは考えていません。以前、僕が勧めた某書店に友人が行ってみたところトークイベントのため短縮営業で入れなかったことがあったので、弊店はそんな悲しいことはないようにします。
— 書肆スーベニア@書肆侃侃房15周年フェア開催中 (@shoshisouvenir) January 7, 2018
こちらのツイートを見て、僕が最近感じていることを思い返しました。
サービスの方向性にも関わる話なので、ちゃんと今の考えを残しておこうと思います。
リトルスタッフを始めるまでの僕の気持ち
僕は本屋さんが潰れるのは、規模に関わらず本屋さんの経営力不足だと思ってきました。
ビジネス的に見ればもっと色々やれることがあるのに、それをせず「売上不足」で閉店していく。
(後継者不足など売上不足が原因ではない閉店は今回の話の対象外です)
やれることをやらず、出版不況だAmazonだスマホだと、他の要因を言い訳にしている様子に不満を持っていました。
具体的な一例としてはマーケティング不足。
本屋さんの多くはSNSでしか情報発信をしません。
HPを持っていても更新は稀で、アクセスとかオンライン販売の入り口になっている程度です。
もしブログでも何でもいいから常に発信していて、「ミステリ おすすめ」とかでググった時に1ページ目に引っかかるとしたら。
そうやってお店の名前が知れ渡れば(ブランディング出来れば)、検索結果から直接買いに来る人は少なくても他の仕事に繋がる可能性があります。
ちなみにこの目的においてはSNSの発信ではダメです。SNSとブログ(もしくはHP)の更新は用途や効果が違います。
ネットに抵抗があるならチラシ配りでも何でもいいです。
「知ってもらう」「来てもらう」「買ってもらう」ためにどこまでのことをやっているのか。
「良い店作りさえしていれば売れる」というのは、「良い作品を書くだけで売れる」と同じ理屈です。無理です。
それ以外にはVALUやクラウドファンディング。
または選書やイベントレポートをnoteなどで販売することも出来ます。
ライブ配信をして投げ銭を狙うことも今の時代なら可能でしょう。
もちろんどれも「大した売上にならない」可能性もありますが、そもそもチャレンジしている本屋さんは少数派です。
チャレンジしたかどうか。
チャレンジしたなら、やり方に改善点はないか。
もう改善すべきところはないというレベルまでいって初めて「もう本屋は無理だ」なら納得します。
でも現状はそうは見えない。だから僕は「本屋が潰れる」現状に苛立ったのだと思います。
当時お客さんとしての立場から僕が見た本屋は「ビジネス」であり、店主は「経営者」でした。
リトルスタッフを始めてからの僕の気持ち
実際に色々な本屋関係の人と話をさせて頂き、本屋さんにはこだわりがあることを知ります。
僕自身EDIT TOKYOという本屋でバイトをした時に、お店の方針というかこだわりを少なからず感じました。
店長にも当時「こうすれば売れるけど、お店のカラー的にしない」という話を聞きました。
以前はそのこだわりが「余計なプライド」だと思っていましたが、今では「守るべきプライド」のように感じています。
こだわりがあるから「その本屋の面白さ」を保っている側面は大きくて、そこを失ったらそれこそ「どの本屋も同じ」という状況になります。
お客さんからすると「潰れるのが一番困るんだから売上を大事にしてくれ」と思いますが、本屋さんからすると「こだわりを捨てるぐらいなら店を畳む」という人が多い気がしています。
(チェーン店レベルまで行くと本部の経営方針とかがあるので少し違うでしょうが)
本屋をやる上で店主は確かに「経営者」ですが、それ以前に「表現者」なんだな、というのが最近の僕の感想です。
僕も表現者
本屋さんに対する考え方が変わったのは、ヒアリングだけが理由ではありません。
リトルスタッフを進めていく上で、僕も似たようなことを実感しているからです。
ビジネス的、戦略的にはこうした方がいいというアイデアが浮かんでも、僕が望まないアイデアは採用しません。
僕にとってリトルスタッフをやる理由は「自己表現」が一番に来るからです。
小説家が小説を書くように、僕はWebサービスを通して自分の価値観を表現する。
そういう自分に気付いた時、これは本屋さんのこだわりと一緒だなと思いました。
リトルスタッフの方向性
全ての本屋さんをカバーするサービスは作れません。
それでも、なるべく本屋さんにとっても気持ちの良いサービスを心がけます。
それは使い勝手の話ではなくて、「何をするか」「何故するか」といった部分の話。
サービスを作る上でユーザーが喜ぶことをイメージするのは当たり前です。
リトルスタッフにおけるユーザーは読者と本屋の2種類います。
どちらか一方ではなく、どちらも楽しませるものを目指す。
日記
久しく開発していない。やばし。
宣伝
本屋向けのこういうのも開発しました。ご興味ある方をお待ちしています。
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