僕らが本屋の未来を変えるまで

お客さんと本屋さんが繋がる"本屋3.0"を実現するまでの記録

便利なAmazonと楽しい本屋と滅びゆく本屋と

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この記事は 本屋専用ファンクラブ | リトルスタッフ の開発記録です。

リトルスタッフを「本屋の価値を可視化する」ものに変更するべく考え中です。
昨晩ふと、本屋業界に対する自分の考えを前より少し言語化出来たので残しておきます。

本屋の4象限

この図をご覧ください。

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これは僕が考える本屋の立ち位置です。
本屋を語る上でAmazonやネット販売は避けて通れないので、それらも登場しています。

本屋には利便性とエンタメ性の2つの側面があります。
利便性とは「欲しい本がすぐ手に入る」とか「安く買える」とか「ポイントが付く」とかです。
エンタメ性とは「思わぬ本に出会う」やイベントなど、本屋を通した体験の満足度です。

図に書いた通り、便利さを追求したらAmazon一択です。
扱っている本の広さ、値段、配送速度、ポイント。それら全てが相まって独走です。
Amazonを使わない人がいるとしたら、それは「不便だから」ではなく心情的な理由が大きいでしょう。

エンタメの個人書店

個人書店は自由度の高さや、店主との近さからエンタメ性に特化しています。
反面、個人ゆえに出来ることは限られ、予算も厳しく、利便性を上げる取り組みは不十分になります。
システムだけじゃなく、在庫数から見ても「欲しい本を求める」読者にとっては不便なお店です。
いわゆる「小さい本屋はxxという売れ筋の本すら置いていないからダメ」という評判です。

弱みを補うか強みを伸ばすか

ネット上でも知人の意見でも、本屋を良くするアイデアで多いのは利便性を上げる施策です。
4象限の図でいえば右にシフトするような施策です。
例えば客注の効率化とか、在庫確認をリアルタイムに出来るようにするとか。

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課題を解決するのがビジネスの基本であり、「不便」は分かりやすい課題なので思い付きやすいものです。
しかしこの方向性は、思いっきりAmazonと戦うことになります。
何をしたところで「でもAmazonの方が便利だし」という読者の感想がついて回ります。
そして好き嫌いはあるでしょうが、Amazonの技術力・影響力の大きさは疑いようがありません。

リトルスタッフは個人書店をメインに考えているので、ここから先は話を個人書店に絞ります。
図のように、個人書店は利便性という側面で見れば極端に低いです。
Amazonはもちろんのこと、大型書店や中型書店にも劣ります。

なので個人書店が利便性を伸ばして存在価値を見出していくことは不可能に近いです。

個人書店は自由度が高いので、新しい施策を率先して試みることが出来ます。
それによって一時的に「個人書店が便利」という状況は作れますが、そのXが便利だと分かれば中型以上の書店も導入します。
そうやってXが広まって当たり前になれば、「個人書店が便利」という優位性は消えます。

個人書店が生き残るには、弱みを補うよりも強みを伸ばす方が可能性に溢れています。
不便さを無くすことに労力を払うのではなく、もっと独自性を出して面白さに特化する方が良いということです。

本屋の個性で経済を作る

エンタメ性を上げろと言われても、実際問題そこにお金が生まれなければ経営は成り立ちません。
経営が成り立たない以上、本屋さんは舵を切ることは出来ません。
目に見える不便を解消する方が反応も分かりやすいので、ついついそっちに着手しがちです。

けど個人書店が出来ることには限界があります。
図でいうところのAゾーンに入ることはありません。せいぜいCの右端が限界です。
そして利便性を上げることに注力した結果エンタメ性が下がり、いつしかDゾーンに落ちて消えていきます。

そうした未来を防ぐためにも、リトルスタッフは本屋の個性がお金になるように試行錯誤しています。

リトルスタッフ自体は利便性かエンタメ性か

リトルスタッフをツールとして捉えるなら便利じゃないといけない。
リトルスタッフも本屋体験の一員でありエンタメと捉えるならば、面白くないといけない。

ツールというのは課題解決であり、使う側が課題を認識出来ている場合に有効です。
しかし「本屋の価値を可視化する」というリトルスタッフの目的は、恐らくそもそも課題として一般に認識されていない。
今回書いたような本屋業界の現状や未来予想図を、面と向かって説明してやっと伝わるぐらいかもしれない。

そうなると、少なくとも現状ではリトルスタッフはツールではありません。
正直、現状のリトルスタッフはこの辺りの判断を間違えました。

リトルスタッフはエンタメにならないといけない。
その気持ちを持って、「本屋の価値をどう可視化するか」を考え中です。

結論

リトルスタッフは個人書店のエンタメ性を伸ばすサービスにします。

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おまけ: Amazonがエンタメ性を高める未来

上図ではAmazonはBゾーンにいますが、いずれAゾーンに進出してきます。
つまりAmazonにエンタメ性が出てきます。

それはAmazonリアル書店化という話に限らず、Amazonで買うこと自体にもエンタメ性が出てきます。
現状は「Amazonには思わぬ出会いがない」と言われますが、僕は今後の機械学習がそれすら解決すると思っています。

そしてAmazonはEchoやDash含め他のデバイスも強いので、生半可な日本のITでは太刀打ちできません。
そういった未来においても「本屋は必要」と言われるためにも、本屋には突き抜けたエンタメ性が必要になります。

日記

本屋ページのカレンダー、先月以前が見れないのでページングを対応したい。
したいんだけど、考え事のゴールが見えるまでは意識がそっちに持って行かれて開発できない。

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本屋向けのこういうのも開発しました。ご興味ある方をお待ちしています。

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