僕らが本屋の未来を変えるまで

リトルスタッフ開発や日々の取り組みについての記録

どうやったら本屋に投げ銭をしてもらえるかを考える

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読者が育てる本屋の日記 | リトルスタッフ(α版)


久しぶりにリトルスタッフの話です。
Twitterでは発信しているんですがリトルスタッフはまたリニューアルします。

今度は最初から投げ銭機能を盛り込むことにして、その上でどういう形にするのが一番いいかを考え直しています。
(現状の日記システムのまま投げ銭をさせるのは無理そうだと分かったので仕切り直す)

どうやったら投げ銭をしてもらえるか。言い換えると自分はどういう時に投げ銭をするかを考えています。

路上パフォーマンスに対して投げ銭を渋る2つの側面

本屋への投げ銭を考える前に、まずは路上パフォーマンスに対する投げ銭を考えてみました。
僕は路上パフォーマンスに対して投げ銭をしたことがありません。

理由は主に2つあります。物理的な面と心理的な面です。

物理的な面は「単純に面倒臭い」こと。
投げ銭をする」には「いくら投げ銭するかを決めて」「財布を取り出して」「金額を取り出そうとして」「もし該当する金額がなかったらまた考えて」「金額を取り出して」「投げ銭箱の前まで移動して」「投げて」「財布をしまう」
今や何でもかんでも「スマホでワンタッチ」みたいな時代において、金額を考えたり財布を取り出したりするのは非常に手間です。
もし「スマホをかざしたら勝手に500円が投げ銭されます」みたいな仕組みだったら抵抗はだいぶ減ります。もっと言えば「かざす」ことすら「近くまで行く」必要があるので、理想はその場でも(遠くからでも)投げ銭できること。

心理的な面は恥ずかしさとか理由とか、なんで投げ銭する必要があるのか、という点です。

リトルスタッフはWebサービスなので物理的な面はある程度解決できます。
極力1タッチ、恐らくは2タッチで投げ銭を出来るようなUIにすればいい。
「本屋を選んで」「投げ銭する(予め決められた金額のパターンから選択)」なら2タッチですし、前回の本屋をデフォルトにしていれば「投げ銭する」だけの1タッチです。
(厳密には「Webサービスを開く」という操作が入るのでもう少し手順は増えちゃうけど(アプリにしても同じ))

問題は心理的な面で、こっちをクリアする仕様に頭を悩ませています。

投げ銭をするための3つの要素

心理的な面について、投げ銭をするための要素は3つあると考えています。
「相手からの要求がある」「相手との関係性」「自分へのメリット」の3つです。
このうち2つを満たした時に人は投げ銭(支援行為)をします。
1つだけではダメです。

相手から「支援して欲しい」と要求をされても、相手との関係性が希薄だったり自分にメリットがなかったら支援しません。

相手との関係性が深くても、相手が困っていない(要求していない)し自分にもメリットがないなら支援しません。

自分へのメリットがある場合だけちょっと特殊で、この場合は短期的には支援します。
ただこれは支援というよりモノを買っているだけです。
同じメリットをもっと与えてくれる他のモノがあるとそっちに移ります。
継続的に支援を続ける上では自分へのメリットだけでは不足です。

これらの要素のうち2つ満たすとどうなるでしょうか。

「支援して欲しい」と言われて「関係性が深い」場合は、自分にメリットがなくても(損でも)支援するでしょう。相手が喜ぶなら。
(このケースでは「関係性が深い=相手が喜ぶことで自分も嬉しい=自分にメリットがある」という図式になるのでちょっと特殊)
「支援して欲しい」と言われて「自分にメリットがある」場合は、相手との関係性が0でも支援するでしょう。相手からの要求が行動するきっかけになります。
「関係性が深くて」「自分にメリットがある」場合は、相手が望まなくても支援を続けるでしょう。メリットがあるので。

「相手からの要求」はコントロールできない

この3つの要素のうち「相手からの要求」はシステムでコントロールできません。
どんなに困っていても要求しない人はいるし、どんなに満たされていても要求し続ける人はいます。

そもそも本屋さんの多くは要求しない人達だということも、これまでの活動で分かっています。

「関係性」と「自分へのメリット」を作り出す

リトルスタッフ(の投げ銭)を通して相手との関係性を深めて、なおかつ自分にもメリットがあるように出来たら。
ユーザーが意識するかどうかに関わらずリトルスタッフが目指している投げ銭文化が出来上がります。

ちなみに「関係性」の対象は書店員なのか店なのかという観点があり、今回のリトルスタッフは店で考えています。
書店員のことは良く知らないし話したこともないけど、その本屋の選書や空間が好きで自分にとっては特別な場所の一つ。そういう関係性です。

あと「自分へのメリット」は金銭とか割引とかサービスとかそういう具体的な特典に限りません。
承認欲求とか自己顕示欲とか共感してもらえるとか社会的欲求を満たすものも含めます。

リトルスタッフを使うことで「関係性が深まり」「自分にもメリットがある」。
これを実現するための機能はどうしたらいいかなあ、というのをずっと考えています。

日記

仕事も忙しくなってきているので踏ん張りどころ。

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