僕らが本屋の未来を変えるまで

リトルスタッフ開発や日々の取り組みについての記録

今の僕では寄付型の本屋投げ銭は無理だった

今の僕では法律的に不可能だったので、「寄付型(リターンなし)の投げ銭」モデルは辞めることにしました。

資金移動業に該当する

資金移動業とは

資金移動業を営むには、「資金決済に関する法律(以下、法という)」に基づき、事前に内閣総理大臣の登録を受けなければなりません。

今作ろうとしているモデルでは「インターネット・モバイル型」に完全に該当します。
厳密には一旦僕の口座で受け取ってから本屋さんに振り込む予定なので図とは微妙に違いますが、きっと同じでしょう。

この登録要件は次のように記載されています。

(1)「株式会社」又は「国内に営業所を有する外国資金移動業者」であること。
(2)「資金移動業を適正かつ確実に遂行するために必要と認められる財産的基礎」を有すること。
(3)「資金移動業を適正かつ確実に遂行する体制の整備」および「第3章 資金移動」の規定を遵守するために必要な体制の整備」が行われていること。

(1)については起業すればいいので問題ではないのですが、(2)(3)を現時点ではクリア出来ないことが分かりました。

事業者のみなさまからよくあるご質問

Q6. 資金移動業者にはどの程度の財産的基礎が求められますか?
A6. (略) また、共通するものとしては、利用者に対して日々の受払いを行う資金のほかに、当初から最低要履行保証額(1,000万円)を資産保全するだけの資金準備があること

1000万はさすがに持っていない(涙)
強行突破するならクラウドファンディングするなり、融資を受けたりすれば集まりますが、次の(3)も問題です。

Q7. 資金移動業者に求められる体制の整備にはどのようなものがありますか?
A7. (略) 適切に対応するための態勢(特に組織態勢の確認にあたっては、法令等遵守のための態勢を含め、相互けん制機能が有効に機能する内部管理部門の態勢(業容に応じて、内部監査態勢)を含みます。)が整備されているか

色々書かれていますが、監査とか色々と部門(人手)が必要ということと解釈しました。
個人では無理ですし、仮に人を集めても出来たばかりでは審査に受かるか怪しいところです。

そもそもサービスとしてスタート出来るか分からないのに融資等を受けるのはリスクが高すぎます。
僕の見立てではサービス自体にまともな売上が立つのに数年は覚悟しているので、会社だとしたら確実に給料を払えなくて倒産しますし。

以上からMVP(必要最小限の機能)としてはリターンなしの投げ銭を却下せざるを得なくなりました。

参考: ネット上での少額金銭の譲渡と投げ銭システム的なものと

投資型、寄付型、購入型によって適用される法が変わる

他にも考えないといけないことがありました。
当初は「リターンなしの投げ銭」をリリースして検証しつつ、次の段階で「リターンありの投げ銭(要は有料会員とか購入とか)」を考えていました。

ですが前者は恐らく「寄付」にあたり、その場合受け取り側が個人なら年間110万以上で贈与税がかかります。(法人なら受取額に応じて法人税)
手間が発生するのはちょっと避けたいし、普通の購入に比べて税金で引かれてしまうのも嬉しくない。

また、リターンありの機能を追加した時には更に手間が複雑になります。これも良くない。

この辺りの法律も踏まえてサービス展開を考える必要がありました。

参考: クラウドファンディングの法規制(基礎編)

MVPおよびサービスを考え直す

ということで、1回考え直します。
単純に有料会員のプラットフォームみたいになるかもしれませんが、根底には「本屋の作品は空間や体験であり、価値ある作品には対価が支払われるべき」という思いがあるので、そこに絡む何かにしたいなあ。

日記

営業とかリリースをかける前に気付けて良かった。
きっかけは友人の「それって寄付っぽいけど税金はどうなるの?」という質問からだった。これがなかったらたぶん気付かずに突っ走っていた。

僕は自分が無知であることを自覚しているので、こうやって人に話したりブログで公開することで少しでもツッコミをもらえるようにする必要があるな、と改めて思った。

宣伝

このブログの更新情報は公式Twitterにて確認できます。