僕らが本屋の未来を変えるまで

リトルスタッフ開発や日々の取り組みについての記録

小説が読めない

先月、集中して本を読んでいる時期があった。
1日で小説を4冊読んだ日もある。

僕は300ページ程度の小説を3時間ぐらいで読める。
これが早いか遅いかは分からないが、読書に集中してれば読み切るのにそこまで時間はかからない。

今は自由の身なので仕事というか開発の手を止めて、何も考えず、1日中ひたすら読書だけしていた。
気になる小説をいくつも買ってきて、この生活を3日続けた。

買った全ての本を読みきれず積読のまま、4日目から開発作業に戻った。

開発モードになると、僕は小説が読めなくなった。

開発に意識を集中すると、読書が入り込む隙間がなくなる。
YouTubeを見ることはできる。音楽も聞ける。ネット記事も読めるしSNSも見れるしマンガも読める。

でも小説は読めない。

僕にとって小説を読むのは頭を使う作業で、能動的なエネルギーを消費する。
能動的なエネルギーは全て開発に費やしたくなっているので、小説に使えない。

マンガ含め他の娯楽や息抜きに手を出せるのは、それらが(僕にとっては)頭を使わない作業だからだ。
ただ受動的にぼけっと見聞きしていればいい。
そこから生じる喜怒哀楽だって感情や反応で勝手に湧き上がるだけで、頭を使っているわけじゃない。

脱線するけど、僕は人と会って話すのも能動的なエネルギーを使う。
チャットだと抵抗は弱いから、表情とか声の出し方とか相槌とか、そういう所作へのコストが高いのだろう。
だから開発にのめり込んでいる時は人に会いたくないし、なるべく会わないようにしている。
これは仕事関係の人に限らず、友人でさえそう。自分の中で明確な理由がない場合は会わない。

話を戻すと先日、久々に東京へ来た友人とランチの約束があった。
移動時間なら読めるかもしれないと思い、僕はポケットに文庫本を突っ込んで出かけた。

でもずっと僕はスマホをいじっていて、結局、本を取り出すことさえしなかった。
別にスマホで遊んでいたわけじゃなくて、開発したシステムの動作確認や、今後の作業に関して調べたり整理したりしていた。

開発モードから娯楽モードへ、娯楽モードから開発モードへという切り替えを器用に出来ない。
なのでスキマ時間に15分だけでも読むとか、そういう方法も取れない。
足りないのは時間じゃなくて頭や気持ちの余裕。もしくはオン・オフを切り替えられる器用さだ。

技術書や実用書はまだ読める。開発に還元する目的で読むので、娯楽モードではないから。単なる勉強だから。

小説だけが読めない。
でも僕は読書の中で、小説が一番好き。
リトルスタッフや他サービスの活動も、全ては最終的に僕が小説を楽しく読める環境を作るためにやっている。

小説を楽しく読む環境を作るための活動に専念すると、小説が読めなくなる。

とはいえたまには小説を読まないと、何のために頑張っているのか見失いがちになるので、意識的に開発を止めて小説を読む期間を取ったりしている。


参加書店の中に好きな本屋があったら応援して頂けると嬉しいです。最初の31日間は無料です。
リトルスタッフ

また、よかったら公式SNSアカウントのフォローお願いします。