僕らが本屋の未来を変えるまで

リトルスタッフ開発や日々の取り組みについての記録

本屋の選書を定期購読できるサービスとしてリニューアルした

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本屋不況を終わらせるために試行錯誤してきたリトルスタッフですが、本屋の選書を定期購読するサービスとして昨晩リニューアルを完了しました。

本屋の定期購読 | リトルスタッフ

「何が出来るか」についてはサイトをご覧いただくとして、「なぜこのサービスが必要なのか」について簡単にまとめます。

読者(お客様)にとってなぜ必要か

僕は本屋の面白さは2つだと考えています。

  1. 本との出会いがある
  2. 自分で本を選んで買える

本屋は目当ての本を買うだけの場所ではありません。本屋に行くと思わぬ本との出会いがあります。買うつもりがなかった本を買うことがあります。
そういう偶然こそ僕ら読者にワクワク感を与えてくれる、本屋っていいなと思わせる魅力の一つです。

そして本屋へ行く以上、そこで本を手に入れたい。その「買った」という体験が「この本は面白そう」という期待感を高まらせます。手に入れた満足感に浸れます。

しかし本屋に行けば必ず出会いがあるとは限りません。高確率で出会える本屋もあれば、全く出会えない、魅力を感じない本屋もたくさんあります。
それは本屋が提供する出会いには個性があるからです。個性がある以上、相性が出てきます。

個性の中心にあるのが選書です。つまり、どういう本が置かれているか。または置かれていないのか。

本屋の選書を知るには実際に店舗へ行かないと分からないことがほとんどです。
でも僕たちにはそんなに時間と体力の余裕がありません。理由は忙しさだけではありません。本屋は面白いけど、本屋以外にも面白いことが多い。それもまた事実です。

だからまず、リトルスタッフを通してスマホやPCで空き手間に本屋の選書を楽しんでください。
(1ヶ月は無料でお試し頂けます)
その上で面白そうだと思った本屋に足を運ぶのがスマートです。

更にリトルスタッフでは応募券を通して商品を手に入れることが出来ます。
応募券の料金は文庫1冊の単価に合わせています。つまり定期購読にお金を払っていても、実際は本屋で普通に本を買うのと金額に大差はありません。

本屋にとってなぜ必要か

本屋が本の売上だけで経営していくことが厳しくなっているのはご承知の通りです。
雑貨などの他商材を売ったり、カフェを併設したりイベントしたりすることが最近の常套手段になりつつあります。

もちろん、こうした本以外のことを嫌々やっているわけではないのは分かっています。お店に必要な要素として設計し、日々の経営判断をされていることと思います。

しかし店主の方々が本屋を始めようと思ったのは、書店員が本屋で働こうと思ったのは、「お店で本を売りたい」という動機が軸にあるはずです。
そこに強いこだわりがなければ(現状は)儲からないと分かっている本屋をわざわざ始めようとはしません。それに「本屋である」ことにこだわらず色々な方法で売上を伸ばしていくはずです。

儲けることは大事だけど、売上のために自分が作りたい本屋から離れていくのであれば、いっそ閉店を選ぶ。本屋を営む人はそういう方々だと感じています。

だからリトルスタッフは、あくまで「お店で本を売る」ことに焦点を当てています。
当選した商品を配送せず、自店で受け取るような仕組みにしているのはそのためです。
(当選など詳しいシステムについてはサイトをご覧ください)

今でもSNSで本を紹介している本屋は多いですが、「ネットで宣伝しても効果は薄い」という意見を良く聞きます。
SNSで紹介しても来店に繋がることは稀で、他の本屋やAmazon等で購入されてしまうかもしれない。それでも本を読むきっかけになればいい。そう感じているのではないでしょうか。

リトルスタッフを使うと「選書」が売上に変わります。そして当選システムにより選書が来店へと明確に繋がります。
リトルスタッフは本屋が本屋であり続けるための、新しい収入源です。

面白い本屋を増やす

「モノよりコト」だと言われて久しい今では、全てのサービスが体験をいかに与えるかへシフトしています。
『その波に本屋も乗るべきで、本屋は本を軸にしたコミュニティスペースへと転換すれば生き抜くチャンスがある』
そう唱える人も少なくありません。きっとそれは生き残り方の一つの形でしょう。つまり誰かのニーズを満たしているという証明でもあります。

しかし僕は、そういうコミュニティとか集団行動とか、人間関係が苦手です。だから本が好きなんです。
僕が本屋へ行くのは人との繋がりを求めているわけではなく、本との繋がりを求めているからです。

本屋の個性である選書にお金が流れるようになると、本屋は選書を通した店作りに専念できるようになります。
そうすると選書が好きで購読している読者にとって、その本屋はもっと魅力的な存在になります。

「モノよりコト」として提供される体験はコミュニティだとかイベントだとか人間関係によるものではなく、選書を通した本との出会いでありたい。
僕は本と出会って暮らしたい。そのためには選書の価値を可視化する必要がある。そんな思いを込めて作ったサービスです。

よろしければお試しください。

本屋の定期購読 | リトルスタッフ

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(近いうちに書店様向けのページを作りますが現在はありません)

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開発者について

こちらの自己紹介をご覧ください。
リトルスタッフ開発者の自己紹介 - 僕らが本屋の未来を変えるまで

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