僕らが本屋の未来を変えるまで

リトルスタッフ開発や日々の取り組みについての記録

文喫から考える入場料付きの本屋さん

リトルスタッフかんのです。 昨日、文喫に初めて行ってきました。

bunkitsu.jp

お店そのものに関するレポートではなく「入場料付きの本屋」について考えた、とりとめのない記録です。

文喫は1500円以上の価値がある

文喫は素敵な空間でした。その上でコーヒーまたは煎茶が無料なので、実質1200円ぐらいの本を1冊読めば元を取れます。
本によりますが、軽めに読める本なら数冊読めちゃうのでお得です。実際、僕も軽めの実用書を4冊読めました。(うち2冊は途中で読むのを辞めた)

しかも置いてある本が委託販売ではなく買い切りなのが良い。
そこまで考えるお客さんがいるか分かりませんが、本を買わない方が経営としては嬉しいはずなんですよね。品揃えが減らない、在庫がなくならないので。
買わなくても罪悪感を覚えないのはいいなあって、コーヒー飲みながらぼんやり思いました。

入場料モデルは小さな本屋では難しい

1500円という入場料に対して満足感を覚えたのは、コーヒー飲みながらゆったり出来たからです。
これがもしカフェはなくて、本を選んで買うだけだったらどうでしょう。

入場料モデルは払った金額に対して物理的、または時間的なメリットを感じないと厳しい。
もし文喫が混んできて席を確保できない(ゆっくりできない)となったら...?

ゆったりするスペースを確保するのが難しい小さな本屋さんでは、入場料モデルは難しいのではないでしょうか。

何に対してお金を払っているか

文喫の店員さんはみなさん、とても魅力的でした。素敵な店員さんばかりです。僕はあんな風に柔和な感じは出せない。

それでもお店のファンになるイメージが浮かばず、それはたぶん僕が代表者を知らないから。
お店の顔、とでも言った方が適切かもしれません。

もちろん1回しかまだ行ってないし僕の情報不足だけな面もあるんですが、大事なのは「顔が浮かばないとファンにはならないのかも」と思ったことです。
独立系書店にファンが付きやすいのは、個人や家族やチームでやられているところが多いので、お店の顔がハッキリ浮かぶから。

入場料はあくまで空間の利用料としてで、"お店の人達"に向けた応援料という感覚はありませんでした。

最初から入場料を取るモデルは難しい

お店の良さや相性が分からない段階から入場料を取るのは非常にハードルが高いだろうなと思います。
文喫のように大きなお店ならまだ大丈夫でしょう。「それなりに損はしなさそう」という予想がつくので。

しかし独立系書店のような小さな規模のお店では「損したら嫌だ」という気持ちの方が強く出るので、なかなか難しいと思います。
特に都内だと他にも本屋はたくさんありますからね。

じゃあフリーミアムのように「初回は無料で次回以降は入場料を取る」としたら?(管理の面倒さは無視)
そうすると何か品がなくなって、お客さんとの関係がドライで嫌な感じが出てしまう...。

気持ちよくお金を払うには

リトルスタッフは投げ銭みたいなものなので、入場料モデルは興味深いテーマです。
投げ銭もそうですが、お金をどう払ってもらうか、の伝え方・見せ方次第で全然変わってきます。

損得に関係なく、払う気持ち良さがあれば1500円も苦じゃないし、嫌悪感を覚えたら100円すら払いたくない。難しい。

先にお金を要求されると対価(見合うメリット)を求めますが、自分から払いたいと思った時は対価を気にしません。おじちゃんおばちゃんの「ここは私が払うわよ」合戦のように。相手(お店)に払いたいと思えた時に、リトルスタッフという手段を知る・思い出すというのが理想なんだろうな。


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