僕らが本屋の未来を変えるまで

リトルスタッフ開発や日々の取り組みについての記録

リトルスタッフにコミュニティ機能を入れない理由

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リトルスタッフかんのです。
タスクを棚卸ししている中で「リトルスタッフにコミュニティ機能はいらない」と再認識しました。

コミュニティはどこにでも存在する

「コト消費」「これからは個人の時代」なんてことは今やどこもかしこも言っていて、実際に僕もその通りだと思っています。
「何を買うか」より「なぜ買うか」が優先されるようになり、「なぜ」の背景には人がいます。

人と人を繋ぎ、さらに活性化する上でコミュニティに関する機能は不可欠です。

コミュニティというと昨今の流行りでオンラインサロンとかそういうのを連想するかもしれませんが、少なくとも僕の中ではコミュニティは「特定の共通目的を持った集団」なので、日常にもたくさん存在します。
家族もコミュニティだし(僕は疎遠ですが)、趣味仲間もそうだし(僕にはいませんが)、学校や会社でのグループもそうです。(僕はフリーランスなので所属していませんが)

オフラインだけじゃなくて、オンライン上でもコミュニティはたくさん存在します。
SNSは顕著な例でxxクラスタなんて言われたりしますし、あるブログのファンがいたら、そのブログを介したコミュニティは出来上がっていると言えます。

そういう意味では本屋とお客さんにしても、距離感に違いはあれど一つのコミュニティと呼べるでしょう。
人が社会の中で生きていくことは、所属するコミュニティを選ぶことと言えます。

なので仮に機能がなくても、リトルスタッフというサービスを提供している以上は、強弱はあれどリトルスタッフのコミュニティは出来ます。
それは分かった上でサービスの機能としてコミュニティ要素を盛り込むべきか、が考えるべき設計内容です。

コミュニティは内側に入ると中毒性がある

これはあくまで僕個人の感覚で一般的に当てはまるかは分かりませんが、コミュニティは外から見ている分には気持ち悪くて、内側に入ると面白くてハマります。
コメントでもイベント参加でも何でもいいですが、自分がコミュニティ活動に参加する(内に入る)と、コミュニティが自分事になって病みつきになります。コミュニティ内で自分の認知度が上がったり、評価されるようになると尚更です。

外から見ているだけ(ROM専)だと他人事のままで、Web記事や本を読んでいる感覚と大差ありません。それどころかコミュニティは多かれ少なかれ色が出てくるので、染まっていない人から見ると抵抗を覚えます。
オタク用語やギャル用語に抵抗を覚えるような。ITやビジネスに詳しくない人がカタカナ用語を小馬鹿にするような。

例えば僕はプログラミング関係のブログをやっています。最初のうちは、記事を公開するたびにSNSやブックマークコメントが気になり、無反応含めて一喜一憂していました。
SNSでオレオレ理論を呟いては反応を気にした時期もあります。
ちなみに今ではブログもSNSも反応をほとんど気にしなくなりました。

他の例では、僕はいわゆるオフ会に何回か参加したことがあります。
確か20歳前後の頃で、当時ハマっていたオンラインゲームで所属していたグループのオフ会でした。
元々ゲーム内でも面白いやり取りが出来て好きなグループでしたが、オフ会に参加するようになってからは自分の中での特別感が増しました。

僕の経験として、「外から見ている分には嫌い」「参加して内側に入ると好き」の両面を知っています。
戦略としてコミュニティ機能がもたらす成長の可能性も分かっています。

しかしリトルスタッフではコミュニティ機能は開発しません。

リトルスタッフにコミュニティ機能を付けない理由

まず外側から見ている人達にとって、コミュニティはあまり気持ちの良いものではありません。そして普通コミュニティというのは外側から見ている人が大半です。
(足は入れないけど情報や雰囲気を見るのが目的で傍観・応援している人達)

内側に入っている人達だって、必ずしも楽しめるわけではありません。オフラインでありオンラインであれ、人と人が距離を縮めると時には衝突も生まれます。

それらを管理したり気をもんだりする本屋も、十分にサービスを楽しめないことでしょう。彼らは本屋をやりたいのであってコミュニティを作りたいわけではありません。

とはいえ何か施策を打つ時は、どんなものであれ賛否はあります。
一番大切なのが、僕がそういった清濁飲み込んでもコミュニティ形成をするんだという覚悟を持てないことです。
僕はそこまでコミュニティ形成に強い気持ちは持っていません。経験あるんですがコミュニティの管理・運営ってめちゃくちゃ大変だし上手くいかないことが多いです。

リトルスタッフ以外のサービスを企画する時は、ニーズを探ってコミュニティ路線のものを作ることもあるかもしれません。
でもリトルスタッフは新しい価値観(本屋の個性にお金を払う文化)を作ろうとしているものです。僕が覚悟を持てない設計は採用しません。

リトルスタッフは「本屋で本を買う体験」が主要なテーマです。本屋を介したコミュニティ作りを手伝うものではありません。
僕の覚悟はさておき確かにコミュニティ機能はあったら便利な機能だと思いますが、ズレています。
コミュニティ作りを望む本屋さんがいたら、それこそオンラインサロンとかを選択してもらえばいいわけですしね。

まとめ

  • コミュニティ機能は一般的にサービス成長に有効な手段ではある
  • 一方でユーザーも管理者も手間や心理ストレスを抱えるリスクがある
  • 僕がコミュニティ機能に覚悟を持てない
  • 本屋で本を買う体験を大事にするサービスの方向性からズレる

何か久しぶりにブログを書いたせいか、話の道筋や展開がグチャグチャでした。リハビリということで。


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