僕らが本屋の未来を変えるまで

リトルスタッフ開発や日々の取り組みについての記録

【日記】「私の願いは、再び町に本屋が増えていくことです」

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平日にやっていたフリーランスの契約を終えて12月からリトルスタッフの開発を再開しているが、スランプに陥っている。簡単にいえば「頭が回らない」「気が乗らない」状態。ただこれはリトルスタッフに対してだけということではなくて、全体的に体が重い。実際に1週間近く風邪を引いているのもあるけれど、それを差し引いても上手く動けない。風邪のせいか食欲もない。

本を読んでみたり、技術的な情報に手を出してみたり、リトルスタッフの細かい開発もしている。けど熱が湧いてこない。学校や仕事をズル休みした時のような感覚がずっと続いている。

経験上こういう時の解決策は分かっている。行動するしかない。待っていても気持ちは戻ってこない。気持ちが高まって行動するのではなく、行動しているうちに気持ちが高まってくる。行動できないから困っているのだろうと思ってしまうが、これはもう仕方ない。それでも行動を始めて、繰り返すしか方法はない。こうやって有益な情報もオチもメッセージ性もない単なる日記を書いているのもその一つ。

今日、やっと『夢の猫本屋ができるまで』を読み始めた。最近は「本屋の本」を読むことは後回しにしていたのだけど、お世話になっているCat's Meow Booksさんだから知りたかったし、このスランプを抜け出すきっかけを得られるかもしれないと手に取った。記事タイトルの「私の願いは、再び町に本屋が増えていくことです」は店主の安村さんが書籍内で述べている言葉だ。

夢の猫本屋ができるまで Cat's Meow Books

夢の猫本屋ができるまで Cat's Meow Books

僕の願いも全く同じだなと思った。正確には僕は「本屋が消えていく」実感が少ない(生活の中で強くは感じない)ので、「再び」という感覚はない。「僕の願いは、町に本屋が増えていくことです」が正しい。

読書が楽しい理由の一つは、書かれた言葉から自分の考えが刺激されることにある。著者の主旨とは関係なしに、言葉を引っかかりに色々なことに思いを巡らせる。

僕は町に本屋が増えることを願っているけど、そこに文化を残すべきとかそういう意図は全然ない。子供にとって云々とかもない。センチメンタルな気分もない。ただ僕が本を好きで本屋が好きだから、もっと楽しめるように増えて欲しいだけ。エゴ100%だ。念のため補足しておくが、(読み進めた時点では)本の中で文化がどうこうという話は出てこない。あくまで該当のセリフを見て僕が色々と感じた、というだけのことだ。

僕が楽しみたいだけなので、色々な形の本屋が町に増えて欲しい。その中には僕に合わない本屋もたくさん出てくるだろう。当然だ。僕に合わなかった本屋はきっと、他の誰かにとって特別な存在になっている。好き嫌いが分かれるぐらいにハッキリしていないと面白くない。

僕が欲しい本屋は2つある。ミステリ小説専門店とビジネス本専門店だ。どちらも僕が好んで読む分野なので、それに特化した本屋が欲しい。それも徒歩圏内に。インドアな僕にとって近いことはものすごく大事。僕は本屋が好きだけど、ガチな本屋好きと違って電車に乗って巡り歩くほどではない。本屋に限らずプライベートでは最寄り駅から外に出たくない。
あとプログラミング関連の専門書店も欲しいけど技術書の情報や出会いはネットでも十分なので、本屋ならではの面白さはそんなになさそうかなって思う。

ミステリ小説やビジネス本に限らず、特定のジャンルに絞った専門書店が食べていくのは難しい。ただでさえ粗利が低くリピート感覚が遅い(カフェのように毎日来て買うものではない)本を扱っているのに、さらに母数を減らすことになる。カフェやイベントなど他商材を組み合わせて経営すればまだ可能性はあるだろうけど。

リトルスタッフでは継続課金という形で本屋に投げ銭できる。月額プランはいくつかあるが、例えば月1000円プランで応援している人が100人いたら、毎月10万円が支援されることになる。お店の規模にもよるが、独立系の小さな書店なら十分支えになる金額だ。

1000円という金額は決して安くはないが、きちんと「払う価値」を感じ取れれば気持ちよく払える金額だとも思っている。しかし今のリトルスタッフではまだ払う価値の判断を読者の人たちに委ねているところがあって、サービスとして上手に設計できていない。最優先でそこを作り込まないといけない。

僕は町に本屋が増えることを願っている。でも願っているだけでは実現しない。欲しい未来は自分で作り出すしかない。


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