僕らが本屋の未来を変えるまで

リトルスタッフ開発や日々の取り組みについての記録

リトルスタッフを「個人が"本との出会い"をコンテンツとして発信するプラットフォーム」にリニューアルする

リトルスタッフを「個人が"本との出会い"をコンテンツとして発信するプラットフォーム」にリニューアルします。
このプラットフォームの実現に合わせて投げ銭も開発し、当初の目的である「本屋の個性による経済圏」を達成します。

リニューアルの背景

これまでリトルスタッフを進めてきて、思ったより反応が少ないことに課題を感じていました。
一方で僕から見たらコンセプトや目指すところは変わらない他の新規サービスは話題になったりしている。

この違いは何だろうと考えた時に色々浮かんだんですが、一番はリトルスタッフはまだ課金できないことだと判断しました。
課金できない時点では単なるSNS以下のサービスであり、周りから見ても趣味の延長を出ない印象を与えているのでしょう。

なので次は最初から投げ銭を実現するという前提に立って、システムを考え直しました。

本屋は本を売りたいし、読者は本に出会いたい

既存のリトルスタッフがどうこうではなくて原点に帰って考えました。
本屋は何を求めていて、読者は何を求めているのか。

リトルスタッフを通して僕が分かったのは本屋さんの多くは本を売りたいのだということです。
当たり前と思われるかもしれませんが、僕は最初はそう思っていませんでした。
本を売るのは手段だと思っていました。違いました。本屋さんにとって本を売るのは目的でした。

次に僕を含む読者は本屋に何を求めているかというと、一番は「本との出会い」です。
出会いを求めなければネットで買いますし、本を求めなければ本屋とは呼べません。
本がインテリアになっているだけの居心地が良い空間です。

本屋は本を売る。読者は本に出会う。この2点を結ぶ所にリトルスタッフを置きます。

リニューアルの概要図

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登場人物は3人います。「本屋」と「出会った本を投稿する人」と「投稿に対して反応してくれる人」です。

「本屋」は普段通り本を売ることに注力します。その結果として読者に本との出会いを提供します。
リトルスタッフ上で必要な作業は一つもありません。

「出会った本を投稿する人」は、本屋で出会った本を投稿します。
出会った本を買っても買っていなくてもどちらでも構いません。
自分を語るコンテンツとして「出会った本」を投稿します。投稿には本の情報(自動)とコメント(任意)を入力します。

「投稿に対して反応してくれる人」は投稿者もしくは本、もしくは本屋に興味ある人を想定します。
投稿者もしくは本に対して「いいね」等のリアクションをしたり、コメントを残すことが出来ます。
このタイミングで投げ銭をすることが出来て、投げ銭した金額は投稿元の本屋へ還元されます。

文章にすると少し複雑に見えるかもしれませんが、簡単に言えば「本との出会い」をコンテンツとして発信するSNSです。
投げ銭機能を付けますが、投げ銭をしなくても(無課金でも)同じようにサービスを利用できます。

使用例

それぞれの登場人物を以下のように仮定します。

  • 本屋: 独立系書店
  • 出会った本を投稿する人: 料理が好きでSNSやブログで料理に関する投稿をしている人
  • 投稿に対して反応してくれる人: 「投稿する人」のファン。フォロワー。

「出会った本を投稿する人」が「本屋」へ行き、普段通り店内をぶらっと眺めます。
ふとした料理本が気になり、パラパラと中を見ます。面白そうです。
ただ今は積読もあるし読む時間もなさそうで、買うのは控えました。

お店を出て移動中に、リトルスタッフを開いて先程の本(と本屋)を投稿します。「気になる。面白そうだな」と。

「投稿に対して反応してくれる人」はその投稿を見て「いいね」等のリアクションをします。
中には該当の本を読んだ人がいて感想を教えてくれる人もいました。
中にはその本屋のファンがいて、本屋を応援する目的で投げ銭をしてくれました。
中には投稿者のコアなファンがいて、投稿者に印象付けるために投げ銭をしてくれました。(この投げ銭も本屋へ還元されます)

集まったスコアは可視化される

本屋には「投稿された人数」や「投稿された冊数」などを可視化します。
投稿者には「自分の投稿に対する反応」や「自分の投稿を介して投げ銭された金額」などを可視化します。
反応してくれる人には「投稿者や本屋に対して自分がどれだけ投げ銭をしたか」を可視化します。

この数値化/可視化が承認欲求や自己顕示欲を満たしてサービスを使うモチベーションに繋げます。

「出会った本を投稿する人」が投げ銭をするわけではない理由

出会った本を投稿する人は基本的に本屋へ行っています。
そこで更に本を手に取っています。

そこまでしている人なら金額に差はあれど「どうせお金を払うなら本を買いたい」と感じるはずです。
この人に投げ銭を期待するのは無理があります。
(本を買った上で更に投げ銭を期待するのは更に無理)

「投稿に対して反応してくれる人」が投げ銭をする理由

この層は2パターンいます。「投稿者のファン」と「本屋のファン」です。

「投稿者のファン」は投稿者との関係性を深めるために投げ銭します。
投げ銭をすることでコメントが目立つなど他ユーザーと差別化するようにします。
この心理は既存の投げ銭サービスで実践されている仕組み(行動心理)と同じです。

または投稿者がその本屋を応援したいと表明している場合は、投稿者を応援する目的で投げ銭する人もいるでしょう。

「本屋のファン」は本屋への応援として投げ銭します。
投げ銭をすると、神社等で支援者を展示しているのと同じように「この本屋へ投げ銭した人」に表示されます。
ただしこの層の多くは恐らく単純に応援したい人でしょう。
「本屋を応援したいけど本屋へ行けない」(応援する手段がない)人達です。

本屋で本を選ぶことがコンテンツになる

今は個人が活躍する時代になっています。
大きなレベルじゃなくても、中小規模で活躍する個人がたくさん出ています。
今後この流れはもっと加速します。

SHOWROOMやVoicyやminneのように、そういった個人のコンテンツを発信するサービスも続々出ています。
ハッキリしたコンテンツじゃなくてもPeingのような質問箱も同様です。
何より一箱古本市ビブリオバトルなど「本を売る/紹介する場」があちこちで増えているのも、発信したい個人が増えている証拠です。

そういった流れの中で、リトルスタッフは個人が「本との出会い」をコンテンツとして発信するプラットフォームを目指します。

リリース日

投げ銭含めて6月末までにリリースする。

日記

何度目の覚悟か。

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