僕らが本屋の未来を変えるまで

リトルスタッフ開発や日々の取り組みについての記録

フロー型からストック型コンテンツに変えられないだろうか

昨日は課金という観点からブックマーク機能の問題を取り上げました。
今日は課金を無視して、純粋に機能としてのブックマークの話です。
まだ僕はブックマークが「絶対に必要」と言い切れる自信を持てなくて、最近の検討課題でした。

そもそも何故用意したか

元々あったリアクションは「いいね」だけです。
ただ以下の2つの理由からブックマークを用意しました。

  • いいねという反応とは別に、「後で読む」的なメモアクションが必要だと思った
    • 「いいね」した一覧だと、本当に見返したい投稿が埋もれてしまう
  • 課金のリターンとして何か考える必要があった
    • ここから昨日のブックマーク数上限とかの話になります
    • こっちの理由が大きい

そこまで必要を感じて用意した機能ではありませんでした。
なくてもいい機能は作りたくないので本当に欲しいと思える機能に仕上げるか、思い浮かばなければ機能を削除しようと考え中です。

ブックマークだけでは弱い

機能の魅力としても弱いし、LittleStaffで用意する必要性も弱いです。
はてブなど他のソーシャルブックマークを使ってしまえばブックマークできます。
それらの既存サービスを使った方が機能が豊富ですし、制限もありません。

今のまま「ただブックマークして一覧で確認できる」程度では意味がありません。

どうするかを考える上でフロー型とストック型について意識していて、今日はその整理を兼ねた話です。

フロー型とストック型のコンテンツ

LINEの田端さんが、コンテンツにはストック型とフロー型があると述べています。

ストック型の説明は以下の通り。

ストック型であるとはどういうことでしょうか? これは時間が経ってもコンテンツとしての価値が劣化しない、つまり「賞味期限が長い」コンテンツであるということです。いわゆる教科書に出てくるような古典・名書の類ですね。
(略)
もう少し、読者の皆さんの日常に馴染みの深いストック型コンテンツの代表例を紹介、しましょう。それはウィキペディアです。

引用: ストック型とフロー型。コンテンツ軸の性質を知って変幻自在に使いこなそう―源氏物語からニコ動まで。コンテンツを分類する3次元マトリックス(1)

フロー型の説明は以下の通り。

さて次は、フロー型のコンテンツです。これは、ストック型の逆で、「鮮度が生命」のまさしく生鮮食料品のような「今、この瞬間」が勝負のコンテンツです。Twitter上に流れるニュース記事の見出しがその典型ですし、もう少し広く例を取れば、新聞やテレビに出るようなニュースやスポーツ、芸能記事、株価や為替のデータなども多くがここに該当します。

引用: ストック型とフロー型。コンテンツ軸の性質を知って変幻自在に使いこなそう―源氏物語からニコ動まで。コンテンツを分類する3次元マトリックス(1)

ちなみにこれらは、この本にも書かれています。

MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体 宣伝会議

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LittleStaffが提供する情報

まず提供するのはざっくり言えば「本に関する情報」です。
平台や店内写真、イベント情報など色々な画像を投稿できますが、軸にあるのは本のはずです。
そして本に関する情報というのは、本来はストック型です。
数年前に「ミステリの名著」として紹介されたものが数年後には紹介する価値がなくなる、ということはありません。
イベントのような「その時」の情報であっても、本に関する補足情報として捉えれば時代を超えて参照する価値があります。

ただしLittleStaffでのタイムラインはフロー型の性質を持ちます。
それは使うユーザーが基本的に「次に読む面白い本を知りたい」という欲求のもと受動的に眺めるからです。
そのユーザーにとって「今面白そうに思えるかどうか」が注目の基準になります。
ユーザーが能動的に検索等をして投稿に辿り着くことはありません。

とはいえ前述の通り、本に関する情報として投稿画像はストック型の性質を持ちます。
例えば「騎士団長殺し」の隣に(同じく村上春樹が翻訳した)「グレート・ギャツビー」を並べた投稿があったとします。
(和書と外国文学でジャンルが違うし、実際にはそういう並べ方をしているのはほとんど見かけませんが)
これは村上春樹好きからしたら、数年後であっても意味のある情報です。

こういう本に関する投稿がLittleStaffには蓄積されるわけなので、出来ればストック型のサイトとしても活用したい。

ストック型にすると嬉しいわけ

ストック型を実現出来れば全ての登場人物にとって嬉しいです。

  • LittleStaff: PVが集まりサービスのマーケティングに繋がる
  • 本屋: 投稿を通して本屋の宣伝に繋がる
  • 本/作家/出版社: 本の宣伝に繋がる
  • サイトを訪れる人: 面白い本に出会う確率が上がる

ユーザーにストック型を作ってもらいたい

今の構想としてはフロー型である本屋の投稿を、ユーザーが何らかの操作によってストック型に変換して欲しい。
いわゆるキュレーションかもしれません。
前述の田端さんの記事に参考例として書かれていますが、Twitter(フロー型)とTogetter(ストック型)の関係をLittleStaffサイト内で完結したい。

イメージとしてはNAVERまとめのように、気になるテーマでググったらLittleStaffのサイトに辿り着くのが理想。

例えば(ボツ案): ブックマーク + ユーザーフォロー

ユーザーをフォロー出来るようにして、そのユーザーがブックマークした情報もタイムラインに流れてくるのはどうでしょう。
これは二次的なフロー型を作っているだけでストック型ではありません。

例えば(ボツ案): ブックマーク + カテゴリ分け

ページを作るとかアルバムを作るとか、表現は何でもいいんですが、要はユーザーに自由にカテゴリを分けて収集してもらう形。
「ミステリ小説」というカテゴリを作って、そこに該当する投稿を集めていくとか。

この場合の問題は、「平台写真のように複数の書籍が写っている場合はどれを指しているのか判断が付かない」ことです。
そのためにブックマークコメントの機能を付けるとか解決策はありますが、なんか微妙。
この路線でいくと、本屋側もカテゴリ分けに合わせて一冊ずつ写真を撮るようになってしまう気がする。
それはあまり面白くない。

どうするか

分からぬ。

ストック型にする上ではタグ付けとかテキスト情報は必須なんだよなたぶん。
考え中ですが、開発も進めないといけないので途中で切り上げました。
引き続き考えます。

なるべくコンパクトな記事を書こうと思っているけど、今日はちょっと長くなってしまった。

日記

そろそろ人に説明するために考えを整理しないといけない。
機能の説明だけじゃなく、狙い、根拠、計画などなど。
最近は色々と二転三転したり、もぐら叩き的に考えたりしていたので、筋道立てて人に上手く伝えられない。
いわばデスクの周りが散らかっている状態。どこに何があるか自分では分かるけど、初見の相手に迷わず分かってもらうのが難しい。

後回しにしていたカード情報周りの実装を始めた。

表示画面
f:id:kanno_kanno:20171020214851p:plain:w400

入力画面
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http://little-staff.hatenablog.com/entry/2017/10/16/184104

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開発中Webサービスの画面モックを公開していますが、最新版ではコメント機能はなかったりするので仕様が古いです。